うつ病と物忘れの関係性

うつ病は心ではなく脳の病気

人間関係、多忙な仕事などが引き金となって、疲労困憊、無気力、引きこもりなどの症状に陥ることがあります。心療内科での診療や治療が一般的であることから、心の病と思われていますが、根本的には脳が疲弊することによって発症します。薬などで症状を抑えたとしても、脳の疲れが改善できない限りは再発のリスクが高いです。うつ病は事情を知らない人からすれば、単なる怠け病と誤解されることの多い病気です。完治するには、病気の原因となった環境を変えるだけではなく、時間がかかっても脳の疲れを休ませることが必要です。
 

物忘れの症状を起こす疾患

頻繁に物忘れをするようになるのは、老化現象に加えて脳の疾患が深く関わっています。脳の疾患の代表的なものはアルツハイマーなどの痴ほう症です。脳の一部が萎縮して、記憶障害を起こすと考えられています。程度にもよりますが、認知症になると単独で日常生活を営めなくなります。認知症が原因による物忘れの場合、食事の内容を忘れたり、食べたことさえ忘れてしまいますが、自分が幼かったころのことなどは、克明に覚えているのが特徴です。老化以外では、脳梗塞・脳血栓・脳腫瘍などの病気やその後遺症によって、脳の一部の機能が失われることによって物忘れの症状を起こすことがあります。
 

うつ病で酷い物忘れになる

うつ病も脳の病気のひとつですが、脳が疲弊して神経伝達物質が減少してしまうので、思考力が鈍くなったり、注意力が散漫になるのが特徴です。そのため、認知症のように直近のことを覚えられなくなるのではなく、記憶が抜け落ち、忘れっぽくなります。特徴的なうつの自覚症状がなくても、以前のように、集中力が持続せず、忘れ物が増えたり、約束を忘れてしまうことが増えていると、日常生活ばかりか仕事にも支障を生じるようになります。働き盛りの人はうつ病のリスクが高くなっているので、できるだけ早い段階で専門医に相談することが大切です。
 

うつが原因の物忘れは治せる

認知症で物事を忘れっぽくなってしまった場合、脳が萎縮して機能が劣化しているので、改善することは難しいです。しかし、うつが原因とわかっている場合には、脳そのものの機能には問題がないので、疲弊が改善されて神経伝達物資の分泌がスムーズになって、働きが正常になれば、物忘れの症状は自然と治ります。しかし、うつ病の完治には時間がかかるので、専門医の治療計画に従って根気よく続けることが大切です。